Maki Textile Studio
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デリーの針場より 布のループ
インドは雨の季節。
デリーも一日一回、大きな雨がやってきます。
突然の大雨で今日も道路には川のように水が流れ、その中を走る車はボートのようでした。
また、その横をすり抜けて走る自転車やリアカー付き自転車、オートやバイクの姿があり、インドに暮らす人々の力強さをあらためて感じました。


デリーの針場では、秋服作りはほぼ終わり、来年の春に向けての新しいスタイル作りが始まっています。
インドでの服作りには、布を生かした手仕事がかかせません。
以前ご紹介した布だけでできたくるみボタン、gundy(グンディー)もそうですが、
今日は布を上手に使った「布ループ」をご紹介したいと思います。

「布ループ」は、いろいろな役割でmakiの服に使われています。
ボタンを止める、ウエストをしぼるヒモとして、小物のヒモに。
ほとんどはボタンとセットで使われますが、その太さ、硬さを生地やスタイルごとにそれぞれ調整できるのは職人の技です。
作る行程はシンプルですが、その早変わり様に、終始目を奪われてしまいます。

1.バイアスに布を切ります。

2.切った布を半分に折り、折った側を縫います。
(この巾がループの太さとなります。)

3. 縫い代を整えます。(ループの固さは縫い代の太さで決まります。)

4. さきほど縫った筒にループ返しの細い棒を差し込み、
棒の先端を布の最後に引っかけます。

5. 棒の端をミシンなどに固定し、布をひっくり返すと・・

6.ループが現れました。これで完成です。



脇役ですが、「布ループ」はmakiの服に無くてはならない存在です。
これからご紹介する秋服にもループはたくさん使われています。
竹林shopや各地の展示会にいらした際は、ぜひご覧いただけたらと思います。


図師







ストールの巻き方 series2
 まだまだ暑い日がつづきます。

先日、かぐれ表参道展で開催中の「絹の布」展で、布の巻き方会を
させていただきました。
一枚の布の使い方ということで、レクチャーをした後に
それぞれお気に入りの一枚を手にとって、実践を。
慣れない方でも、鏡を見ながら自分に合った巻き方やバランスをみて
楽しんでいただけたように思います。

8/8のblogでご紹介した「ストールの巻き方 series1」につづき、
ご紹介します。


「張りのある布もくるりと」

首にかかる部分を少しねじります

左右長さを変えて首に掛けます

長い方をくるりと首に巻きます

首元の輪に通します

出来上がり

ポイントは、
●はじめに首に掛ける時に、すこし布をねじりすっきりと首にかけること
●首元から少し離したところで布をくるりと巻くことです。
あまり布が首に近すぎると、顔のまわりだけに布のボリュームがでてしまいます。

Tシャツや、タンクトップを着ても首元にじりじりと太陽が照りつけます。
首物と日焼け防止にもなりますので、お持ちの1枚をいつも手に取って
お出かけ下さい。

大村




シボシボストール
シボシボストールが久しぶりにお店に並びます。

makiの生地の中でも、一番透明感のある生地を
生機のまま紐で絞り、酵素ねりをすることで、
布にクシュクシュとした凹凸感をつけました。

長さも巾も大きすぎず、透明感がとてもきれいなので、
アクセサリーのような感覚でお使い頂けます。


そのまま掛けるだけでも、表情があって夏には目にも涼しげ。


二つ折にして、布端を入れるだけ。
難しいアレンジなしでもこんなに決まります。
秋、冬には首もとのアクセントにキレイです。


色はピンクととグレーがびわ、金茶が栗で染めました。
その他にも藍の生葉染めの水色や、びわから染めた薄紫などもこれから出る予定です。

お店にてご紹介しております。

シボシボストール 
サイズ 12㎝×155㎝(シボシボの状態で)
素材 シルク100%
価格 ¥12,600〜

酒井

糸の行方
今日は久々に一日中強い日差しがgangaを照らしています。
雨期のインドはスコールが多く
昨日も雨の中、大きな虹が見えました。





機にかけた糸は、最後どうしても30〜50センチ残ってしまいます。
でも、その残った糸も手紡ぎの糸に変わりありません。
捨てるのはもったいない、、何かにならないか、、、


今、工房長のサンジュ、織師アショーク兄弟のお父さんが
ganga工房に来ています。
gangaのビーマルひもや、布よりひもはこのお父さんの仕事です。
そこで、この残った糸を渡したところ
あっという間にかわいいよりひもが、できあがりました。




村の人で手仕事の人です。
手の指だけでなく足の指も器用に使います。




このよりひも、
これからいろいろなものに使われていく予定です。

例えば、パンツのひもに使ったり。




この秋から
ヒマラヤウールより紐も、お店にならびます。





経糸をつくる兄弟と、ひもをよるお父さんの親子の写真です。





秋田


おすすめの一枚。
昨年からganga工房針場で作りはじめた「ふんどし」。
男性用と女性用のふたサイズがあります。

手紡ぎのシルクや綿素材で作った「ふんどし」は、
汗をかいてもすぐ乾き、身体が持った熱もにがしてくれます。
またお風呂上がりに、さらりとした素材感が肌に心地良く、
就寝時、ナイトウェア感覚で使われるのにもおすすめです。
肌に一番近いところに、一番心地の良い素材を使うのは、
最高の贅沢です。


 
 綿カディ 薄手   ¥2,500
 タッサーシルク   ¥3,570(写真上)
 エリシルク×綿   ¥3,360
 モトゥカシルク×綿 ¥3,360
 モトゥカシルク   ¥3,780
 モトゥカカティア  ¥3,990(写真下)

特に女性の方は、使うまで抵抗があるかもしれませんが、
一度使ってみると、天然素材の心地良さが素肌に感じられ、
違和感は無くなります。
まずは一枚、一番心地良く感じた素材ではじめてみてください。

肌の敏感な方や妊婦さんにもおすすめです。


図師
ストールの巻き方 series1
今日は少し涼しい一日です。

 先日はblogでストールのやわらか仕上げ方法を紹介致しました。
「どうやってシルクのストールを使ったらよいですか?」という質問をお店でも受けます。大切な1枚のストールをより長く楽しく使っていただきたいと思っておりますので、巻き方をお伝えして、一枚の布のいろいろな表情をお見せすると、「私にも巻けそう!」とぱっと表情が明るくなり、嬉しく思います。

今日は、巻き方その1をご紹介させていただきます。

「ふわっと巻いて、結んで」


首にストールを添うように掛け、左右の長さを少しかえておきます。


長い方の布をぐるりと首に巻き、前にまわします


その布端と片方の布端を少しつまむ



布が固くならないように結びます

 

輪になっているので、好きな布の表情をつくれます。

この巻き方は首から肩を覆うベストのような感じになりますので、夏の冷房で肩が寒い時などにも良いと思います。

やはりmakiのストールの魅力は、シルクの張りでもあります。その張りがあると、巻いた姿に透明感があり空気もはらみ、綺麗です。眠っているストールをお持ちの方、使ってみたいと思っていただいている方、ぜひ一枚の布の可能性を楽しんでいただきたいと思います。

お店や展示会ではいつでもいろいろな巻き方を紹介しております。お気軽に声を掛けて下さい。

大村
ストールのやわらか仕上げ
 8月に入った竹林ショップ。
涼しげな服やストールに加え、
いつもと違うお買い得品や楽しい掘り出しものが並んでいます。
初日、2日目と沢山の方にお越しいただきましたが、
昨日、今日は少し落ち着き、ゆっくりお選び頂けるようになりました。
お店に並ぶものも、少しずつ追加して皆様に見て頂けるようにしております。
週末、是非遊びにいらして下さい。

さて、先日ストールをお買い求め頂いた方から、
ストールにはりがあって、なかなか普段には使いこなせない、
ずっとタンスにしまってあるのよ…。
となんとも残念なお言葉を頂きました。

真木のストールに一番多く使う素材がシルクなのですが、
これにはもともと、
シルクの繊維のまわりにセリシンというタンパク質がついていて、これによって
糸に張りがあります。
皆様に馴染みのあるシルクはこれを灰汁や薬品で練ってやわらかくしていますが、
私たちは、この自然なままのはり感が好きで、あえて練らずに、
使い込む事で、徐々に徐々にからだになじんで来ることを楽しんでいます。

でも、やっぱりはじめから柔らかいのが良いとおっしゃる方に、
今回はお手持ちのストールを柔らかくする方法をご紹介いたします。

1,ストールを4分の1にたたみます。

2,端からくるくるっと巻いて下さい。

3,あとは手と手の間にはさんで、手をすりあわせるように揉みます。
 揉む位置を少しかえながら全体をもんで下さい。
※折り返した織り目のところは絶対に揉まないで下さい。
   糸が折れてしまって戻らなくなることがあります。
 たたみ方をかえながら揉むといいです。
 フリンジも揉むと絡まったりするので揉まないで下さい。

ご自宅で、くつろぎながら気長に揉んで頂くと
ものにもよりますが、20分ぐらいでかなり柔らかくなります。
お好きな柔らかさになるまでもまれると良いと思います。


お店に並ぶまでにも、1枚1枚丁寧に手で揉むという同じ仕上げをしています。
特にはりの強い糸を使っているものは、
このように「きぬた打ち」といって、きぬたでたたいて柔らかくしてから
お出ししております。
こうすることによって光沢も出てきます。

私は、はりのあるうちは透明感があってキレイなので、羽織る事を楽しみますし、
5年10年と使って本当に柔らかくなったものは
冬、首にくるくるっと2重に巻いて肌触りも楽しみます。
ストールごとに使い方を変えて本当に長い間持ち続けています。
母から譲り受けた12年ものも宝ものです。

ご自分で柔らかくされるのが難しい方、御連絡下さい。
お時間を頂く事もあるかもしれませんが、こちらで柔らかくすることも出来ます。

皆様に気に入っていただけたストールを、普段から使って頂いて、
長くお楽しみいただけたら本当に嬉しいです。

酒井